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2025.06.13(金)

労働安全衛生規則 改正対応!職場における熱中症対策のポイント

労働安全衛生規則が改正され熱中症予防対策が強化されました

職場における熱中症による労働災害は、ここ数年は増加傾向にあり、
令和6年における休業4日以上の死傷災害は、1,195人と調査開始以来最多となっています。
熱中症による死亡災害の原因の多くは、初期症状の放置、対応の遅れによることから、
熱中症の重症化を防止し、死亡災害に至らせないよう、労働安全衛生規則が改正され、
事業者が講ずべき措置等について、新たな規定が設けられました。

改正のポイント

熱中症の症状の重篤化を防止するためには、熱中症のおそれのある作業者について、
早期の作業離脱や身体冷却、必要に応じ、医師の診察等を受けさせるための医療機関への搬送を迅速かつ的確に行うことが重要です。

このため、以下のことを事業者に義務づけるものです

  • 熱中症の自覚症状がある作業者や熱中症のおそれのある作業者を見つけた者がその旨を報告するための体制を整備しておくこと
  • 熱中症の自覚症状がある作業者や熱中症のおそれのある作業者への対応について、事業場の緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先、必要な措置の内容及び手順を事業場ごとにあらかじめ作成しておくこと
  • これらの体制や手順等について作業者へ周知すること

措置の例が厚生労働省のパンフレットに掲載されていますので参考にしてください

「職場における熱中症対策の強化について」(厚生労働省)

どのような作業が対象になるのか

湿球黒球温度(WBGT)が28度以上又は気温が31度以上の場所で
連続1時間以上又は1日4時間を超えて行われることが見込まれる作業
非定常作業、臨時の作業等であっても上記の条件を満たすことが見込まれる場合は対象となります。
なお、熱中症のおそれのある作業に該当しない場合であっても、
作業強度や服装によっては、熱中症のリスクが高くなりますので、上記の作業に準じた対応を行うよう努めなければなりません。

湿球黒球温度(WBGT)とは

「暑さ指数」とも呼ばれ、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。 単位は気温と同じ℃で示されますが、その値は気温とは異なります。

WBGTは人体と外気との熱のやりとりに着目した指標で、

  1. 湿度
  2. 日射・輻射(赤外線による熱)など周辺の熱環境
  3. 気温の3つを取り入れた指標です。
作業強度に応じたWBGT値の基準値、服装による補正値が示されています。
作業場所のWBGT値を測定し、基準値を超えるおそれがある場合は、冷房などによってWBGT値の低減を図ることが必要です。

WBGT値の測定

WBGT値はWBGT測定器を用いて測定します。
WBGT測定器には安価なものと高価なものがありますが、正確な測定を行うためにはJIS規格に準拠した製品を使用することが望ましいと思われます。

熱中症予防のために職場のWBGT値を測定しましょう。測定は当社にご用命ください!

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