【コラム】水道水のベンゼン汚染について
「昨年6月、「異臭がする」という住民の通報を受け市がガソリンスタンド前の配水管を調べたところ基準値の760倍にものぼるベンゼンが検出されました」(※引用: 「HTB北海道ニュース」)
またYahoo!ニュースでは、「室蘭市が住民説明会で水道水の油の臭いを確認したにもかかわらず1か月以上水質調査を行わなかったことを陳謝し、対象の住民らに対し水道料金10年相当分の金額を支払うこと、健康調査を行う」と報道されています。
そこで今回は、ベンゼンが検出されるとどうなるのか、簡単にご紹介したいと思います。
ベンゼンが検出されるとどうなるのか?
ベンゼンは広く化学原料として使われており、かつては接着剤にも入っていましたが、有害性を考慮して今では身の回りではガソリンの中に1%以下含まれている程度です。
水道水質基準では、ヒトに発がん性がある物質として0.01mg/L以下に定められています。
長期に渡って基準を大きく超えるベンゼンを摂取したとすると健康被害が心配されます。
水道法18条には
「水道事業者から水の供給を受ける者は、水道事業者に対して供給を受ける水の水質検査の請求をすることができ、その請求を受けたときは、水道事業者はすみやかに検査を行い、その結果を請求者に通知しなければならない」
という条文があります。
苦情があったのに、長い間検査が行われていなかったとしたら市の責任は逃れられませんね。
その後の報道によると原因は「ガソリンスタンドの地下タンクから漏れたガソリン中のベンゼンが地下のポリエチレン製水道管から浸透して混入した」とのことです。
ちなみに愛知県条例ではガソリンスタンドの廃止後に土壌汚染調査を行うことが義務付けられています。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回のブログでは、ベンゼンが水道水に混入した事件について現時点でわかっていることを簡単にご紹介しました。
今後、ベンゼンの土壌汚染調査やベンゼンの性質等については今後の当ブログで紹介して行きたいと思います。