【寒冷測定】基準と測定方法について

寒冷測定

寒冷測定とは、冬場や冷蔵庫、冷凍庫内の作業場など、労働者の働いている環境がどれくらいの寒冷環境下になっているのか把握するための測定です。

暑熱測定と同じように、凍傷など労働者に悪影響となる作業場が存在するため、寒冷環境を把握し、適切な対応を行うことが重要となります。

そこで今回は、寒冷測定の基準と測定方法についてご紹介したいと思います。

寒冷測定について

法的根拠

労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)の規定に基づく、事務所衛生基準規則では

  • 第四条「事業者は、室の気温が10度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。」
  • 第五条第3項「事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない。」

があります。

また、作業環境測定の実施について定めた労働安全衛生法施行令では

  • 第21条の2「暑熱、寒冷または多湿の屋内作業場」

が指定されています。

労働安全衛生規則では

  • 第六百六条に、「事業者は、暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場で、有害のおそれがあるものについては、冷房、暖房、通風等適当な温湿度調節の措置を講じなければならない。」
  • 第六百七条に、「事業者は、第五百八十七条に規定する暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場について、半月以内ごとに1回、定期に当該屋内作業場における気温、湿度及びふく射熱(ふく射熱については、同条第一号から第八号までの屋内作業場に限る。)を測定しなければならない。」

があります。

第五百八十七条に規定する暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場一覧

寒冷作業場基準・測定方法については、どの規則に当てはまっているかによって内容が異なります。

基準

事務所衛生基準規則では、10℃以上に保つこととされています。

※空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17℃以上28℃以下及び、相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければなりません。

一方、労働安全衛生規則では、測定の義務は課しているものの、基準となる温度については示されていません。

測定方法

作業環境測定基準では、単位作業場所の中央部の床上50㎝以上150㎝以下の位置に測定機器(気温及び湿度0.5℃目盛のアスマン通風乾湿計)を用いて測定を行うこととされています。

事務所衛生基準規則では、室の通常の使用時間中に、当該室の中央部の床上75cm以上120㎝以下の位置において行うこととされています。

測定記録の保存期間については、事務所衛生基準規則、労働安全衛生規則とも、3年間となっています。

寒冷ストレスにより引き起こされる寒冷負担と健康障害について

寒冷ストレスとは、体が寒いと感じた際に、脳が感じるストレスのことを言います。

寒冷ストレスによって寒冷負担がかかることにより、関節や靱帯の滑らかな動きが阻害されます。

これらの結果、手足の円滑かつ広範な動作や協調運動、あるいは器用さを要する細かい手指作業などが素速く的確に出来にくくなるので、同じ作業を達成するまでの時間が増大し、かつ筋疲労が起こりやすくなります。

指の巧緻(こうち)動作は、指皮膚温が約30~31℃で、手の粗大動作や筋力は皮膚温20℃あたりから影響を受け始めます。

主観的感覚については,手皮膚温が約20℃で「不快な冷たさ」を、約15℃で「極度の冷たさ」を、約10℃で「痛み」を感じるようになります。

皮膚温が6℃前後まで下がると、神経の伝導ブロックがおこり、感覚麻痺が生じるとともに巧緻動作は全く不可能となり、0℃以下では凍傷が発生します。

また、身体末梢部の冷却は、末梢血管を収縮させ総末梢抵抗を増加させるので、血圧が上昇します。

特に中高年齢者によく見られます。

その他の全身や局所の冷却による健康問題として

  • 腰痛
  • 肩こり
  • 神経痛
  • リューマチ
  • レイノー現象
  • 浸水足(しんすいそく)
  • 末梢神経障害

以上が指摘されており、女性の場合、生理障害もあります。

まれに、寒冷蕁麻疹、クリオグロブリン血症、寒冷凝集素症などの寒冷アレルギーがみられることもあります。

最後に

今回のブログでは、寒冷測定の基準と測定方法についてご紹介しました。

寒冷測定についてご相談などがありましたら、お気軽にご相談ください。