【分析項目解説!】電気伝導率(EC)について
水質試験の項目の一つに電気伝導率(EC)があります。
これは河川水や冷却水などで測定される項目です。
そこで今回は、電気伝導率の解説、測定方法についてご紹介したいと思います。
電気伝導率について
水の電気伝導率とは、水の電気の通しやすさを示す値です。
値が大きいほど電気を通しやすいことを示します。
単位は「S/m」(ジーメンス/メートル)になります。
値の大きさによって、「mS/m」(ミリジーメンス/メートル)、「μS/cm」(マイクロジーメンス/センチメートル)などとも表されます。
「mS/m」は「S/m」の1000分の1、「μS/cm」は「S/m」の100000分の1になります。
※ジーメンスという単位の呼び名は、ドイツの電気工学者、ヴェルナー・フォン・ジーメンス(Werner von Siemens)にちなんでつけられています。
また、純粋な水はほとんど電気を通しません。
水にイオンが溶けることによって電気が通りやすくなります。
したがって、電気伝導率は水にどの程度のイオンが溶けているかを示し、河川水などの汚れ、ボイラー水や冷却水などの腐食性、スケール発生の目安となります。
自然界における水の一般的な電気伝導率
参考:日本応用地質学会中国四国支部「応用地質Q&A中国四国版」
電気伝導率の測定について
電気伝導率の測定には電気伝導率計が使用されます。
基本的には一対の金属板の間に電流を流して電気抵抗を測定し、電気伝導率を計算する仕組みになっています。
電気伝導率は水温によって変化します。
通常は25℃の値を表示します。
そのため電気伝導率計には温度補正機能があります。
電気伝導率は水中のイオン含有量の目安となりますが、イオンの種類や濃度を調べるにはイオンクロマトグラフなどによる分析が必要となります。
電気伝導率計の例
最後に
今回のブログでは、電気伝導率の解説、測定方法についてご紹介しました。
当社では電気伝導率の測定、イオンクロマトグラフによる分析も承っております。
ご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。