【機器紹介】フーリエ変換赤外分光光度計FTIRを導入しました!
前回ご紹介したエネルギー分散型蛍光X線分析装置EDX-7200に続いて、フーリエ変換赤外分光光度計IRXrossも導入しました。
今回は、その新規導入機器「フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)」をご紹介します。
フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)とは?
FTIRはIRつまり赤外線を利用して有機物や一部の無機物を分析する機器です。
物質には赤外線を吸収・放射する性質があるので、この特性を利用して物質の同定、組成の分析を行います。
サンプル測定方法について
FTIRにおけるサンプル測定方法には大きく分けて透過法と反射法があります。
どちらの方法もその名の通り、透過法は透過してくる光を検出し、反射法は反射する光を検出します。
当社では反射法に分類されるATR法を採用して測定します。ATR法は試料内面で全反射する光量を測定することで分子構造や官能基情報をスペクトルとして得る方法です。
FTIRのIRは赤外線ですが、FTは何でしょうか?
FTとはフーリエ変換(Fourier Transform)のFTで、得られたデータを数学的に処理して解析する手法のことを指します。
簡単に言うと、様々な波長でできている光を周期性のある波長に変換するということになります。スペクトルとして得られたデータをフーリエ変換することで試料中の異なる化学結合や官能基を特定し、物質の構造や化学組成を調べることができます。
FTIRの特徴
- 非破壊分析:特殊処理・加工不要、再利用可能
- 幅広い試料形態測定:固体、液体、粉体、気体
- 高感度分析:微量成分も検出可能
- 迅速分析:数分/1検体
- 定性分析:豊富なデータベース
FTIRは多種多様な分野で活躍しています。
FTIRでできること
- 医薬品の品質管理、製造プロセスのモニタリング
- 環境汚染調査
- 工業製品、食品等の混入異物の調査
- 法科学捜査
当社ではこれまで外壁、プールのろ過フィルターやシャワーヘッドに付着した異物調査、マイクロプラスチック分析を行った実績があります。
FTIRは有機元素分析に特化しているため、無機物はEDXやICP-MS等で分析します。
※EDXについては、こちらのブログ「【機器紹介】エネルギー分散型蛍光X線分析装置EDX-7200を導入しました!」を参考にしてください。
※ICP-MSについては、こちらのブログ「ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)を導入しました!」を参考にしてください。
さらに統合解析システムにより、有機と無機両面からのアプローチも可能です。また、FTIRで測定できない微量な有機物や、分子量が大きい化合物はGCやGC-MSで対応可能です。
最後に
今回は、新規導入機器「フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)」についてご紹介しました。
当社では、試料に適切な分析機器を選択し、お客様のご依頼に対応しております。
異物解析はぜひ当社にお任せください!