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【環境解説】愛知県の湖沼の水質調査結果について

湖沼 水質結果

先日、愛知県で行われた河川の水質調査の結果についてご紹介しました。

※河川調査の結果についてはこちらのブログを参考にしてください

そこで今回も、河川に引き続き、湖沼の水質調査の結果についてご紹介したいと思います!

まず、愛知県の水質調査地点についてご説明します。

水質調査地点について

愛知県では毎年、油ヶ淵と入鹿池の水質調査を行っています。

油ヶ淵は碧南市と安城市の境にある愛知県唯一の天然湖沼で、周辺の都市化により、水質汚濁が進み、かつては全国でワースト2位になったことがあります。

入鹿池は犬山市にある全国でも有数な規模の農業用ため池です。

油ヶ淵の水質調査結果について

湖沼の水質汚濁の指標として代表的なCODの調査結果では、環境基準(5mg/L以下(75%水質値))を超過しています。

ただし、これまでの推移をみますと改善傾向にあります。

愛知県「2019年度公共用水域及び地下水の水質調査結果」P.5より参考

油ヶ淵におけるCODの経年変化(mg/L)

油ヶ淵のCOD

75%水質値とは

BOD、CODの環境基準の評価の際に使用するものです。

年間の日間平均値の全データをその値の小さいものから順に並べたときの0.75×n番目(nは日間平均値のデータ数)のデータ値です。

例えばデータが12個あったとすると、0.75×12=9番目のデータとなります。

75%水質値

入鹿池の水質調査結果について

CODの値を油ヶ淵と同様の環境基準(5mg/L以下)と比較しますと、例年、基準に適合していることがわかります。

愛知県「愛知県の河川、湖沼、海域、地下水などの状況」の統計値の経年変化より集計

入鹿池におけるCODの経年変化(mg/L)

入鹿池のCOD

その他の調査結果について

愛知県には多くの公園の池や農業用ため池があり、これらの水質はそれぞれの自治体によって調査が行われています。

その結果をホームページで公表しているところもあります。

例として、ある都市公園池のCODの値の推移は次のようになります。

都市公園池のCOD調査結果の例

COD調査結果の例

※NO.1、3、4は一つの池の水を、3地点別のところから採取しています

この池は、かつては透明な湧水でしたが、周辺の都市化に伴い、地下水位の低下と流入水の水質悪化により、富栄養化が進み、アオコの発生などが見られるようになりました。

平成10年度から水質改善と生態系の回復のため、植生護岸(水際に植物を繁殖させること)や浮き島(水に浮く土台に植物を植えたもの)を設置するなどの水質浄化対策が行われました。

昔と比べれば水質は改善傾向にありますが、平均的には5mg/Lを超える濃度で横ばいの状態が続いています。

水の入れ替わりのない閉鎖性水域である湖沼の水質を改善することは難しいということがわかります。

最後に

今回のブログでは愛知県の湖沼の水質調査結果についてご紹介しました!

当社では、行政からの委託による湖沼の水質調査を行っており、その様子を先日のブログでご紹介させていただきました。

※湖沼の水質調査の様子についてはこちらのブログを参考にしてください

工場排水の影響を調べたい、農業用水の水質を確認したいなど、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

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