【分析項目解説!】窒素化合物が及ぼす環境・健康への影響についてご紹介!

窒素について

窒素は空気の約78%を占める物質で、食品の鮮度を保つためにパッケージ内に封入されていたりします。

窒素自体は無害で安全な物質ですが、窒素化合物は健康被害の原因にもなる物質で、長年にわたり、地下水から環境基準を超える濃度で検出されていることが問題となっています。

しかし、窒素化合物がなぜ健康被害の原因になるのか、環境に詳しくない方だと分かりにくいと思います。

そこで今回は、窒素化合物の環境影響、健康影響についてご紹介したいと思います!

まず、窒素化合物についてご説明します。

窒素化合物とは

水質汚染関係の分類で言いますと、まず、窒素化合物の総量と表すものとして全窒素があります。

全窒素は

  • 有機性窒素
  • アンモニア性窒素
  • 亜硝酸性窒素
  • 硝酸性窒素

の4種類に分類されます。

有機性窒素とは

有機性窒素とは、例えば、たんぱく質やアミノ酸などのことです。

アンモニア性窒素とは

アンモニアはよく知られていると思いますが、し尿などに含まれる独特のにおいのある窒素化合物です。

硝酸性窒素・亜硝酸性窒素とは

硝酸、亜硝酸は、窒素と酸素が結合した窒素酸化物です。

硝酸化合物は肥料などに、亜硝酸化合物はソーセージの発色剤などに使用されています。

窒素化合物の環境影響について

窒素化合物は生物にとって栄養源となる物質です。

そのため、湖沼や陸地で囲まれた海のような閉鎖性水域に大量に窒素化合物が流入すると、富栄養化によりプランクトンが異常増殖し、水質の悪化を招きます。

富栄養化防止のため、全窒素については、最大120mg/L以下(日間平均60mg/L以下)という一律排水基準と特定の地域では総量規制基準が定められています。

窒素化合物の健康影響について

窒素化合物のうち、亜硝酸性窒素はメトヘモグロビン血症という病気を起こします。

メトヘモグロビン血症とは

特に乳幼児がかかりやすい病気で、血液が酸素を運ぶ能力が低下することにより、チアノーゼ、頭痛、呼吸障害を起こし、死亡することもあります。

硝酸性窒素も人の体内で亜硝酸性窒素に変化するため、同様の影響があります。

これを防止するために、飲料水では亜硝酸性窒素が0.04mg/L以下、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が10mg/L以下と水質基準が定められました。

厚生労働省「水質基準項目と基準値(51項目)」より参考

そして、水道水源となる公共用水域における硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の環境基準が10mg/L以下とされ、これを達成するために、排水基準でアンモニア、アンモニウム化合物、硝酸化合物及び亜硝酸化合物(アンモニア性窒素に0.4をかけたものと亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の合計量)が100mg/L以下と定められています。

排水基準にアンモニア、アンモニウム化合物が含まれているのは、これらが環境中で亜硝酸性窒素に変化するためです。

環境省:「一律排水基準」より参照

窒素化合物の検出状況について

環境省では毎年、環境基準の達成状況を発表しています。

発表によると、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に関しては、公共用水域では、ほぼ環境基準が達成できていますが、地下水では調査開始以来、環境基準の超過率が最も高い状況が続いています。

この原因は、農地での過剰な肥料の使用、不適切な家畜排せつ物及び生活排水の処理などが問題とされています。

全窒素に関しては、湖沼での達成率が低い状況が続いています。

環境省:「平成30年度公共用水域水質測定結果」「平成30年度地下水質測定結果」より参考

しかし、愛知県の浄水場の水質検査結果では、全地点で水質基準に適合していました。

愛知県:「水質検査結果」より参照

窒素化合物を浄水処理で取り除くことは技術的には可能ですが、莫大な費用が掛かるため、実際にはとても困難なことです。

したがって、事前に汚染を防止することが、一番重要なことになります。

最後に

今回のブログでは、窒素についてご紹介しました。

水質分析についてご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください!