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【分析項目解説!】酸化還元電位(ORP)とは?測定方法・求め方について

ORP

水の性質の一つに酸化還元電位というものがあります。

この酸化還元電位は、河川の水質調査や排水処理の工程管理に利用されます。

しかし、どういったものなのかよくわからないという方もいるかと思います。

そこで今回は、酸化還元電位(ORP)とは何かわかりやすくご紹介したいと思います!

酸化還元電位について

物質は電子と呼ばれる電気の元になる粒子を持っています。

そして異なる物質同士が出会ったときにお互いに電子をやり取りします。

この電子のやり取りを「酸化還元」と言います。

還元

電子をやり取りする力は、物質によって異なります。

この力の大きさを、電気的なエネルギーとして表したものを「電位」と言います。

つまり、酸化還元電位は水の酸化力または還元力の強さを表します。単位はV(ボルト)です。

酸化還元電位はORP(Oxidation reduction potential)と呼ばれます。

山間部を流れる清水のORPは約800mV、湖水のORPはマイナスの値を示すことがあります。

※参考:国土交通省「河川水質試験方法(案)(平成21年3月 国土交通省水質連絡会)

酸化還元電位の利用について

水質が良好な河川は溶存酸素濃度(DO)が高い(酸化性が強い)状態にあり、水質の悪い池の底などはDOが低い(還元性が強い)状態になっています。

したがって、DOは河川、池などの状態の目安として測定されますが、DOが0になると還元性の強さがどの程度なのかを測定することができません。

ORPを測定することにより、還元性の強さを知ることができます。

排水処理で微生物による処理を行う場合にも同じ理由で、ORPを利用することができます。

また、シアンやクロムの排水などを酸化還元処理する場合には、ORPを測定することによって反応が終了しているかを判断することができます。

酸化還元電位の測定について

ORPの測定には、ORP計が用いられます。

OPR図

測定しようとする水溶液に白金電極および比較電極を挿入し、得られる電位差を読み取ります。

一般的には、白金電極と比較電極が一体となった複合電極が用いられます。

正しいORPの値は比較電極に水素電極という電極を使用した場合の値です。

しかし、水素電極は構造が複雑なため、通常は銀・塩化銀などの電極が使用されます。

その場合、指示値を変換することによって正しいORPの値を得ることができます。

あるいは、そのまま表示して使用した電極を明記します。

(例)ORP計

ORP計

最後に

今回のブログでは、酸化還元電位(ORP)についてご紹介しました。

当社では、ORPをはじめ、pH、溶存酸素の現場測定に対応可能性です。

※pHについてはこちらのブログを参考にしてください

酸化還元電位(ORP)についてご相談などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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