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【コラム記事】石炭ガス化複合発電プラント(IGCC)とは?

石炭ガス化複合発電プラント(IGCC)とは

以前のブログでは、クリーンコールテクノロジーについてご紹介しましたが、他にも日本には石炭ガス化複合発電プラント(IGCC)という技術があります。

※クリーンコールテクノロジーについてはこちらのブログを参考にしてください

現在商用発電として主流の石炭火力発電は、石炭を燃焼した熱を利用してボイラーで蒸気を発生させ、その蒸気を使って蒸気タービンを回して発電していますが、次世代型として環境に配慮した新しい石炭火力発電技術として石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)が注目されています。

そこで今回は、石炭ガス化複合発電(IGCC)についてにご紹介したいと思います!

石炭ガス化複合発電(IGCC)とは?

石炭ガス化複合発電(IGCC)は、石炭を燃やして直接ボイラーを動かすのではなく、ガス化炉で可燃ガス化して、ガスタービンを使って発電します。

同時に、ガスタービンの排熱を利用してボイラーを動かし、蒸気タービンでも発電するコンバインドサイクルを活用することで、さらに効率を上げます。

石炭をガス化するには、超微粒炭に空気や酸素を吹き付け、加熱します。

すると、圧力と温度に依存しますが、最終的に一酸化炭素と水素の混合気体になります。

この気体はガス精製設備を通って微量含まれる二酸化炭素、硫黄化合物、塩化水素、アンモニアなどが除去された後、燃焼して、ガスタービンを回します。

さらにその燃焼排ガスの熱を排熱回収ボイラーで回収し、水と熱交換することで蒸気を発生させ、蒸気タービンでも発電することによってより効率的な発電が可能になっています。

従来の石炭火力発電の発電効率は40%前後ですが、石炭ガス化複合発電(IGCC)の発電効率は48~50%と言われています。

また、単位当たりのCO2排出量は、現在主流で非効率といわれている亜臨界圧型石炭発電は900g/kWhですが、石炭ガス化複合発電(IGCC)は650g/kWhで、4割ほど削減されています。

石炭ガス化複合発電(IGCC)は、パイロットプラント、実証プラントを経て、商用プラントが動き始めています。今後この方式が広がることを期待されます。

さらに燃料電池と組み合わせてより高効率的に発電を行う方法があります。

より高効率な発電方法とは?

石炭のガス化によって発生する可燃性ガスの中には、水素ガスが含まれています。

石炭ガス化複合発電(IGCC)のガスタービンの手前に燃料電池を置き、石炭から発生する水素ガスで燃料電池による発電を行う方式を、「石炭ガス化燃料電池複合発電」(IGFC:Integrated coal Gasification Fuel cell Combined Cycle)といいます。

石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)では、まず、水素ガスを使った燃料電池による発電を行います。

次に、燃料電池では反応しきれずに排出される水素ガス(オフガス)を燃焼して、ガスタービンを回します。

さらにそのガスタービンの排熱で蒸気タービンを回すという、「三度おいしい方式」なのです。

石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)のエネルギー効率は石炭ガス化複合発電(IGCC)よりもさらに高く、55%ぐらいのエネルギー利用効率が期待できます。

最後に

いかがだったでしょうか?

今回のブログでは、「石炭ガス化複合発電(IGCC)」についてご紹介しました!

他の資源と比較して経済的にもエネルギー安全保障の面からも非常に有利である反面、環境負荷が高いという欠点を持っていますが、日本の高度な技術で徐々に克服されようとしています。

この技術が世界中に広がり、世界中の国々で用いられ、世界中の人々が豊かな暮らしを送れるようになることを期待しています。

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