リスクアセスメント
2024.06.07(金)

【化学物質管理】皮膚等障害化学物質の対応について

皮膚等障害化学物質の対応について

化学物質のばく露対策として一番最初に思い浮かぶのは、呼吸用保護具(マスク)かと思います。

実際、当社が作業環境測定にお伺いする際、一番目にすることが多い保護具です。

しかし、日本における化学物質による健康障害事案は年間400件程で、経皮ばく露による皮膚障害が最も多く、吸入・経口ばく露による障害発生件数の約4倍にもなります。

※参考「厚生労働省:平成29年及び平成30年の労働者死傷病報告P8

それにもかかわらず、測定現場では、手袋や保護衣は作業性が悪くなるので使用を避けるという意見をよく伺います。

そのような状況の中、労働安全衛生規則が改正され皮膚等障害化学物質への直接接触防止についてルールが決りました。

そこで今回は、皮膚等障害化学物質への対応についてご紹介します。

必要になる対応について

過去の皮膚障害発生事例や発生件数が多いことから、次の義務が設けられます。

その① 皮膚や眼に障害を与えるおそれ又は皮膚から吸収され健康被害を生ずるおそれがあることが明らかなものを取り扱う場合は、不浸透性の保護具の使用が義務

その② 皮膚や眼に障害を与えるおそれ又は皮膚から吸収され健康被害を生ずるおそれのないことが明らかでない物質を取り扱う場合は不浸透性の保護具の使用が努力義務

実施時期は下記の通りです。

実施時期

※参考:厚生労働省「皮膚等障害化学物質に係る省令改正内容等についてP11

現在皮膚障害をおこすおそれのある明らかな物質はリストが公開されています。

しかし化学物質は膨大な数がある為、障害をおこすか明らかになっていない物質も多くあります。

こちらは保護具の使用は努力義務となっていますが、少しでも健康被害のリスクを回避する為に使用していただいたほうがよいと思います。

化学物質は工場で使用しているイメージがありますが、掃除用品や毛染め剤など一般の生活で使用するものにも含まれています。

みなさん、今一度使用している製品のSDS(安全データシート)を確認し、内容物の把握・理解をしてみてはいかがでしょうか。

最後に

今回のブログでは皮膚等障害化学物質への対応についてご紹介しました。

当社では、化学物質の環境測定を実施しております。

化学物質の環境測定はぜひ当社にご相談ください!

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