【排水排出事業者に必要な知識】水質汚濁防止法に違反した場合の罰則は?
工場などで排水を排出している事業者の方は、水質汚染を防ぐため様々な法律に対応する必要があります。
法律の多くは確実に守られるように罰則を設けています。
水質検査などの環境関連法に違反するとどうなるのでしょうか?
今回は、水質汚濁防止法に違反した場合の罰則についてご紹介します。
水質汚濁防止法の罰則について
水質汚濁防止法の罰則は、第6章の第30条から第35条に列挙されています。重いものから順に見てみましょう。
※参考:e-Gov「水質汚濁防止法」
罰則その1
第30条では、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっていてこの法律でいちばん重い刑罰になります。
詳しくは上記内容となっており、具体的には特定施設における「計画・改善・地下水浄化の各命令違反」が挙げられます。
一般に公害防止を目的とする法律では、まず命令が出され、それに従わないと罰則が適用される条文が多いです。
罰則その2
次に第31条では、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処するとなっていて、「排出水の制限(直罰)、応急措置・緊急時の措置命令違反」が該当します。
「排出水の制限」とは
「排出水の制限」とは、水質基準を超える排水を排出することで、この場合は命令を経ずに罰することができます。
これを直罰規定といいます。
ただし、過失による場合には3ヶ月以下の禁錮又は30万円以下の罰金と少しだけ軽減されています。
その他
また、以下の場合にも罰則が科されます。
- 特定施設の設置・変更の未届・虚偽の届出…3ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金
- 既設の未届・虚偽届出、60日前に設置、未報告、虚偽報告、立入を拒むなど…20万円以下の罰金
さらに、特定施設の届出で氏名等の変更、継承の届出、汚濁負荷量の測定手法の届け出を怠ると10万円以下の過料となります。
また第35条に両罰規定が示されており、上記違反の行為者とともに法人にも同じ罰金が科されます。
罰則規定はあるものの、県や市の職員には捜査権限がないので指導や改善命令で済むことも多いですが、目に余る場合は警察に告発されます。
警察や海上保安庁によって排水基準超過等が指摘されるケースでは、送検されてしまいます。
罰則ではないのですが、水質汚濁防止法のもうひとつのポイントは第19条の無過失賠償責任で、「有害物質の汚水の排出で人の生命又は身体を害したときは、当該事業者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。」という点です。
下記は今までご紹介した内容をまとめた表になります。
最後に
今回は、水質汚濁防止法に違反した場合、どのような罰則があるのかご紹介しました。
当社では、排水、環境水、井戸水などの水質検査を承っております。
水質検査についてご相談等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。