【コラム】一酸化炭素中毒にはご注意ください
最近、新型コロナウイルス感染対策として、換気を実施している事業者の方がほとんどかと思います。
換気をすることにより「室内の汚れた空気」を室外の新鮮な空気に入れ替え、きれいな空気を保つことができます。
また、厚生労働省からは空間を改善するための換気方法が公開されています。
参考:厚生労働省「冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法」
そこで今回は、換気についてご紹介したいと思います。
室内の汚れた空気とは?
室内の汚れた空気としては、人の呼気に含まれる二酸化炭素、燃焼の際に発生する一酸化炭素、シックハウスの原因となる化学物質、ハウスダスト、細菌やウイルスなども考えられます。
※1ppm…100万分の1であるを表す数値
この中で一酸化炭素は毒性が強く、200ppmで頭痛などが起こりはじめ、さらに濃度が上がると吐き気、めまいなどの中毒症状が進み、最悪の場合、死に至る危険なものです。
今では昔のように室内で練炭や火鉢で暖を取ることは考えられませんが、気密性の高い建物が増えた現在では、少量の一酸化炭素の発生でも事故につながりかねません。
一酸化炭素の発生について
私たちは「一酸化炭素は不完全燃焼すると発生する」と習いましたが、実際は酸素が十分ある状態でも「物が燃焼する際には必ず発生する」と考えなければなりません。
例えば炭が燃えるとき真っ赤に燃えているところと、くすぶって煙を出しているところがあるように、部分的な不完全燃焼は必ず発生していて一酸化炭素が発生します。
国民生活センターでは、一酸化炭素中毒に対し注意が呼びかけられています。
参考:独立行政法人国民生活センター「発電機や炭での一酸化炭素中毒に注意」
もうひとつは酸素濃度の低下です。
酸素濃度の低下について
換気の悪い状態で燃焼器具を使用していると室内の酸素濃度が下がってきます。
大気中に21%ある酸素ですが、18%以下になると一酸化炭素発生量が急激に増加します。
事故の事例では、以下のものなどが公表されています。
- 工事の際、発電機を坑内や風通しの悪い場所に設置して重篤な中毒事故が起こった
- 炭焼きバーベキューで気分の悪くなる人が続出した
- 就寝中にストーブをつけたままにしていたが、給気部分にほこりが溜まっていて不完全燃焼が起こった
この「物が燃焼する際には必ず一酸化炭素が発生する」ということを頭に入れて、必ず換気を実施しましょう。
その他、屋外用の器具は屋内や風通しの悪いところでは使用しない、器具の点検、吸気口や排気口器具の清掃を実施しましょう。
もし「眠気」「頭痛」等を感じたら換気をすること、燃焼器具の使用を中止することも重要です。
また住宅用ガス・CO警報機の設置も検討してください。
当社では一酸化炭素などの空気環境測定を実施しています。
お客様の状況に合わせた測定器の選定などのご相談にも応じていますので、気になる方はぜひご連絡ください!
最後に
今回のブログでは、換気と一酸化炭素の関係性についてご紹介しました。
空気環境測定についてご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。