【分析項目解説!】大気汚染防止法のVOC(揮発性有機化合物)についてご紹介!

先日、水質汚濁防止法で指定されている有害物質としてのVOC(揮発性有機化合物)について紹介しました。

※有害物質としてのVOC(揮発性有機化合物)についてのブログはこちらを参考にしてください

ご紹介した以外に、大気汚染防止法でもVOCに関する規制があります。

そこで今回は、大気に関するVOCの法令にはどのようなものがあるかご紹介したいと思います!

大気汚染防止法のVOCについて

VOCとは、揮発性が高く、常温で気体となる有機化合物の総称です。水質汚濁防止法では、人の健康に被害を及ぼす有害物質として有機塩素系化合物の物質ごとに項目が定められていました。
それらは物質の性質から一般的にVOCと呼ばれますが、揮発性の有機化合物全般を一律に規制するということではありません。

大気汚染防止法でも同じVOCという言葉が使われていますが、少しニュアンスが違っています。
大気汚染防止法のVOCの規制は、揮発性の有機化合物全般が対象で、光化学スモッグの発生を防止するということを目的としています。

光化学スモッグとは

VOCや自動車の排気ガスなどに含まれる窒素酸化物が太陽の紫外線によって光化学オキシダントという物質に変化し、それが大量に発生して白くもやがかかったような状態になることを言います。

光化学スモッグが発生すると、人が目やのどの痛みなどを起こすおそれがあります。

大気汚染防止法のVOC排出規制について

大気汚染防止法のVOCの排出規制は、特定の物質の濃度の規制ではなく、光化学スモッグ発生の原因となる物質全般の規制となります。(光化学スモッグの原因とならない8物質は除外されます)

濃度は排ガス中に含まれる有機化合物由来の炭素の濃度で表されます。

しかし、規制を受けるのは一定以上の送風機の送風能力を持つ下表の9種類の施設に限られます。

VOC規制対象施設

該当する施設を持つ事業者は、年1回以上のVOCの測定を行い、結果を3年間保存する必要があります。

また、規制対象とならない小規模の事業者に対しても、VOC排出抑制の自主的な取り組みが求められています。

法律による規制と自主的取り組みのベスト・ミックス(複数の方法を組み合わせて効率を高める方法)によって、効率的なVOC排出抑制を進めることが政策の方針となっています。

大気に関する有害物質等の規制について

大気汚染防止法では、VOCとは別に有害物質として、カドミウム、塩素、フッ素、鉛、窒素酸化物が規制されています。

塩素系有機化合物等については「有害大気汚染物質」として、別に定義されています。

有害大気汚染物質とは

有害大気汚染物質とは、継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがある物質で大気の汚染の原因となるものです。

それらに該当する可能性のある物質として中央環境審議会によって248物質が示されています。

参考:環境省「有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質リスト

このうち健康リスクがある程度高いと考えられる23物質が優先取組物質として示されています。

優先取組物質・指定物質一覧

優先取組項目・指定物質一覧

大気汚染防止法では、優先取組物質のうち、早急に排出抑制を行わなければならない物質(指定物質)として、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの3物質について指定物質抑制基準(排出基準)を定めています。

指定物質抑制基準については、環境省「指定物質排出施設及び指定物質抑制基準」をご覧ください。

これらは、大気汚染防止法では、濃度測定の義務などは定められていませんが、地域によっては条例で定められています。

愛知県では愛知県条例(県民の生活環境の保全等に関する条例)において、指定物質3物質を含む22物質の有害物質が指定され、排出基準、濃度測定の義務が定められています。

規制の対象となるのは、ばい煙発生施設に該当する施設で、

  • 排出ガス量が4万Nm3/時以上の施設の場合…2か月に1回以上
  • 排出ガス量が4万Nm3/時未満の施設の場合…年2回以上

測定を行い、結果を3年間保存することが必要です。

※ばい煙とは、物の燃焼などによって生じる硫黄酸化物、ばいじん、有害物質を言います

愛知県では、大気汚染防止法等の規制をまとめた「大気汚染防止便覧」を作成しています。

詳しくは、愛知県「大気環境対策」をご覧ください。

最後に

今回のブログでは、大気汚染防止法のVOCについてご紹介しました。

※水質、土壌、廃棄物に関する有害VOCについてはこちらのブログを参考にしてください

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