【江南市、小牧市、一宮市の有機溶剤使用事業者】有機溶剤作業において気中濃度を高くしない方法
有機溶剤は、塗装・印刷・洗浄など幅広い作業で使用されています。
多くの有機溶剤は揮発性が高く、蒸気となって作業者にばく露し、健康被害の原因となります。
有機溶剤中毒予防規則においては、第1種、第2種、第3種有機溶剤の44物質が規制対象とされています。
※規制対象の有機溶剤についてはこちらのブログを参考にしてください
その中でも第1種、第2種有機溶剤は作業環境測定を行うことが義務付けられており、適切な作業環境管理が求められます。
そこで今回は、有機溶剤作業における気中濃度を高くしないために行うべきことについてご紹介したいと思います。
有機溶剤作業場の管理について
有機溶剤中毒予防規則の対象は、製品中の有機溶剤含有率が5%を超えるものになります。
これらに該当する場合、有機溶剤の発散源対策として密閉装置、局所排気装置、プッシュプル型換気装置などが必要となります。
こういった設備を運用して適切な作業環境とするのが目的ですが、設備があっても適切な使用がされていないと作業環境中の有機溶剤が高濃度になってしまう事業所もあります。
有機溶剤濃度が高くならないために
実際に当社の測定士が測定にお伺いした事業所で見た、比較的容易に対処できる濃度低減をご紹介します。
1.プッシュプル型換気装置や局所排気装置のフィルター交換やダクト内の清掃
局所排気装置は1年に1回の定期自主検査において、各項目の確認が必要です。
しかし、行われていない事業所も多く、制御風速などが規格を満たしていないため濃度が高くなってしまっている例があります。
2.適切な作業方法での作業を行う
塗装の作業場で多いのですが、局所排気装置から少し離れた位置に製品を置き、製品の周りを作業者が移動しながら塗装すると、気流の下流側で自身がばく露してしまったり、吹いた溶剤がうまく吸引されず、作業場の濃度が高くなってしまいます。
3.溶剤缶の蓋や使用したウエスのごみ箱の蓋を閉める
使用している溶剤缶や、ふき取りに使用したウエスが入ったごみ箱の蓋が空いている作業場を時折見かけます。
このような状態だと、作業位置以外にも溶剤の発生源となってしまい、作業場の濃度が高くなります。
下記にトルエン含有溶剤用いて当社で実験した結果を示します。
トルエン濃度実験結果
溶剤缶の上部やウエスの上部でも管理濃度を超える値となっていることが確認できます。
溶剤缶もごみ箱も、使用したら直ちに蓋をしめることで濃度上昇を抑えることができます。
4.代替え溶剤の使用
溶剤メーカーから低VOC製品や特定の溶剤の含有率が少ないもの、含有がなく同様の性質をもった溶剤が販売されているものもあります。
例として洗浄用トルエンの代わりに同様の性質の有機溶剤非該当物質を使用した洗浄剤などもあり、このように使用するものを変更して濃度低減を図ることも有効です。
最後に
今回のブログでは、有機溶剤作業における気中濃度を高くしないために行うべきことについてご紹介しました。
有機溶剤濃度が高い場合、できることから濃度低減措置を行いよりよい作業環境管理を行うことが重要です。
測定や環境改善についてご相談、ご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。