【分析項目解説!】アルカリ度について
水質分析の項目のひとつに「アルカリ度」というものがあります。
アルカリ度とは、ボイラー水や冷却水などで測定される項目です。
そこで今回は、アルカリ度の解説と測定方法についてご紹介したいと思います。
アルカリ度について
水は、水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH−)のバランスによってpHが酸性になったり、アルカリ性になったりします。
OH−が過剰になるとアルカリ性になります。
そこに酸(H+)を加えるとOH−が中和されてアルカリ性が弱くなります。
炭酸カルシウムなどは酸を加えてもpHが変化しにくい「pH緩衝能」を持っています。
アルカリ度とは水のpHが一定の値になるまで加えた酸の量から計算される値で、水のpH緩衝能を表します。
通常、炭酸カルシウムの濃度(CaCO3mg/L)として表します。
終点のpHが8.3の場合を「Pアルカリ度」、4.8の場合を「Mアルカリ度」または「総アルカリ度」といいます。
なお、JIS K0101、K0102等では「酸消費量」、上水試験法・下水試験法・ボイラー水関係では、「アルカリ度」という言葉で表記されています。
- 酸消費量(pH8.3)=Pアルカリ度
- 酸消費量(pH4.8)=Mアルカリ度
地下水はアルカリ度が高く30~80CaCO3mg/Lで、表流水は通常20~40CaCO3mg/L、河川水は一般に上流は低く、下流に行くほど少しずつ増加するといわれています。
参考:国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所「水質に関する用語集」
アルカリ度の測定について
アルカリ度の高い水はボイラー水や冷却水などでスケールの発生量が多くなる傾向があります。
アルカリ度の測定方法は上水試験方法、JISに定められているほか、簡易な測定キットも市販されています。
最後に
今回のブログでは、アルカリ度の解説と測定方法についてご紹介しました。
当社ではアルカリ度をはじめとした、各種水質管理項目の分析を承っております。
ご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。