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【事例紹介】配管に発生したスケールは成分分析で原因物質が分かります

事例 スケール分析

当社では、配管などに異物が発生したので何が原因か調べてほしいという異物の成分分析のご依頼をいただくことがあります。

どのような異物が発生するかは、業種や工程によってさまざまで、一概には言えないのですが、一般的によくあるのは、スケールと呼ばれる堆積物が付着する事例です。

そこで今回は、スケールとはどういうものかまた、スケール発生を防止するポイントについてご紹介したいと思います!

スケールについて

スケールとは水に溶けている金属などの物質が固体となって配管などに付着、堆積、固化したものです。

よくあるスケールの原因となる成分としては、次のようなものがあります。

カルシウム、マグネシウム、ケイ素(シリカ)のスケール

循環式の冷却水系などで水を再利用していると、系内で次第にこれらの成分が濃縮され、やがて水に溶解しきれない濃度になり、水から分離して配管などに付着します。

スケールが付着すると冷却効率が低下してしまいます。

鉄のスケール

水に含まれる鉄分が酸素と結合して、いわゆる鉄さびとなるものです。

配管のつまりや腐食を引き起こします。

また、スケールとは別にスライムと呼ばれる、水に含まれる有機物、藻、細菌が粘着性の物質となって付着するものがあります。

これらはスケールの付着を促進し、循環式の浴槽水ではレジオネラ属菌発生の温床ともなります。

※レジオネラ属菌についてはこちらのブログを参考にしてください

分析の例について

下の表はある工場の配管のスケールの分析例です。

ある工場の配管のスケール分析例

工場の配管スケール

結果を見ると、割合のもっとも多い建屋のコンクリート由来の炭酸カルシウムが溜まったものと判定することができます。

次は、ある地下水配管のスケールの分析例です。

ある地下水配管のスケール分析例

地下水配管のスケール

結果を見ると、地下水中の鉄やシリカ等、スライムが混ざったものと判断することができます。

スケール発生を防止するには

スケール発生を防止するポイントは次のようなものと考えられます。

1.適切な期間でメンテナンスを行う

スケールは厚くなるほど除去が困難になります。

厚くなる前に洗浄を行い、スケールが成長する前に取り除くことがまず第一だと思います。

2.スケール発生を抑制する薬品を添加する

スケールの成分の溶解度を高める、凝集を防止するといった効果を持つ薬品を添加することで、スケールの生成を防止するものです。

しかし、過剰に使用すると、金属配管が腐食したり、それ自体がスケール発生の原因となる場合があります。

3.用水の水質を定期的にチェックする

使用する水がスケールの発生しやすい水質になっていないかチェックすることが必要です。

水質の目安としては、(財)日本冷凍空調工業会の「日本冷凍空調工業会標準規格(JRA)」に、冷凍空調設備で使用する冷却水などの水質基準が示されています。

スケールを除去するには

スケールを除去する方法としては、高圧洗浄などの物理的洗浄、スケール除去剤による化学的洗浄があります。

また、種々の方法でスケール除去効果をうたった装置もあります。

スケールの発生原因、スケールの成分に応じて適切な方法を選択する必要があり、不適切な方法を選択すると、効果がない、場合によっては施設の損傷などのおそれがあります。

最後に

今回のブログでは、スケールについてご紹介しました。

当社では、JRAの水質基準項目の分析、異物の成分分析に対応しており、成分分析では元素分析による成分の特定を行っています。

原因不明な異物の発生原因を調べたいことがありましたら、お気軽にお問い合わせください!

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