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2020.12.18(金)

【分析項目解説!】BOD(生物化学的酸素要求量)についてご説明

BOD

水質分析の項目でよく目にするBOD(生物化学的酸素要求量)をご存知でしょうか。

しかし、BODとはなにか?

BODの水質基準には何があるのか?

など、環境に詳しくない方にとっては分かりにくいかと思います。

そこで今回は、排水や環境水の水質基準項目であるBODの解説、基準、求め方について詳しくご紹介したいと思います!

BOD(生物化学的酸素要求量)について

BODとはBiochemical Oxygen Demandの略で、日本語で生物化学的酸素要求量といい、水中に含まれる有機物が微生物によって分解されるときに消費される溶存酸素量を表したものです。

溶存酸素量とは

水中に酸素がどれだけの濃度で溶け込んでいるか表したものです。

BODの測定の仕組み

微生物も私たち人間と同じように食物(有機物)を取り込んで酸素を使ってエネルギーを生み出し増殖していきます。

有機物が多いほど微生物の活動が活発になり、溶存酸素の消費量も多くなります。

これを利用し、5日間の培養期間中にどれだけ酸素が消費されたかを分析し、BOD値を求めます。

BODの測定値は、水中の有機物量を表す指標となります。

有機物による水質汚濁は、水中の有機物そのものよりも、微生物が生命活動のために分解した結果、水中の酸素濃度が一気に低下することによって起こる環境への影響が問題になります。

BODに関する水質基準について

BODには水質汚濁防止法や下水道法による排水基準があります。

水質汚濁防止法とは

河川、湖、海などの公共用水域や地下水の汚染を防止することで、人々の健康と生活環境を守ることを目的として定められています。

BODの排水基準は湖沼、海域以外の公共用水域に、1日50m3以上の排水を流す特定事業場に対して適用されます。

※特定事業所は種類がとても多いため、参考に愛知県の水質汚濁防止法のあらましのリンクを貼ります。資料中の表1に特定施設の記載があります。

※水質汚濁防止法についてはこちらのブログを参考にしてください

また、下水道法の排水基準にもBODの項目があります。

下水道法とは

排水を下水道に流している事業者に適用される法律のことで、水質汚濁防止法とはまた違う排水基準が定められています。

下水道法のBODの排水基準についても、1日50m3以上の排水を流す特定事業場に対して適用されます。

※下水道法についてはこちらのブログを参考にしてください

BODの求め方

BODの測定は、試料を希釈水で適当な倍数で希釈し、希釈した試料をふらん瓶というBOD用の容器に分注します。

フラン瓶

この容器を20℃で5日間培養し、培養前の溶存酸素量と5日間培養後の溶存酸素量を溶存酸素計で測定し、その差から酸素消費量を求めてBOD値を算出します。

最後に

今回のブログでは、BODの解説、基準、求め方についてご紹介しました。

BODについてご相談などがありましたら、お気軽にお問い合わせください!

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