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2020.08.28(金)

【粉じん測定】「ハイボリュームエアーサンプラー」についてご紹介!

ハイボリュームエアーサンプラー

作業環境測定の粉じん測定において、作業場の粉じんの質量濃度を求める際に、「ハイボリュームエアーサンプラー」または「ローボリュームエアーサンプラー」という測定機を使用します。

※粉じん測定についてはこちらのブログをご参考にしてください

しかし、測定に詳しくない方だと、ハイボリュームエアーサンプラーとは何か、どういった仕組みで測定しているのか、分かりづらいと思います。

そこで今回は、ハイボリュームエアーサンプラーについてご紹介したいと思います!

ハイボリュームエアーサンプラーについて

ハイボリュームエアーサンプラーとは、空気中の粉じん濃度を測定する機器で、主に作業環境測定で粉じんの濃度が比較的低いと思われる作業場での測定に使われています。

ハイボリュームエアーサンプラーは短時間で多くの空気を採取することができるため、粉じんの濃度が低い場所でないと、すぐにろ紙が目詰まりしてしまいます。

ハイボリ

ハイボリュームエアーサンプラーの中に、一定の規格のろ紙をセットし、ろ紙に空気中の粉じんを捕集させて採取していきます。

次に測定の方法についてご説明します。

ハイボリュームエアーサンプラーを使用した粉じん測定について

作業環境測定の粉じん測定の場合、デジタル粉じん計を用いる相対濃度測定が認められております。

粉じん測定では、肺まで到達する可能性のある「吸入性粉じん」を測定対象とし、分粒装置を使用して、吸入性粉じんをフィルターに捕集します。

粉じんを捕集する前と後のフィルターの質量と吸引した空気量を用いて環境中の粉じん濃度を求めます。

相対濃度計であるデジタル粉じん計を用いて粉じんの濃度を測定する際には、質量濃度変換係数(K値)を求める必要があり、そのために、ハイボリュームエアーサンプラーとデジタル粉じん計の2つを使用して測定を行います。

質量濃度変換係数(K値)の求め方

作業場の浮遊粉じんを代表すると考えられる場所で併行測定と呼ばれる測定を行います。
※併行測定とは、ハイボリュームエアーサンプラーとデジタル粉じん計での測定を並行して行うことです。

ハイボリュームエアーサンプラーで得られた粉じんの質量濃度と、デジタル粉じんで得られた空気中の浮遊粉じんのカウント数を元に以下の計算式によって求めます。

質量濃度変換係数

K:質量濃度変換係数

C:ハイボリュームエアーサンプラーにより得られた粉じんの質量濃度(mg/m3)

R:デジタル粉じん計測定値(粉じんのカウント数を測定時間で割った数値)

併行測定を行った場所以外の測定点では、デジタル粉じん計を用いて浮遊粉じんのカウント数を求めます。そのカウント数に質量濃度変換係数をかけることで各測定点の粉じん重量を求めることができます。

このように得られた粉じん重量を用いてその作業場の管理濃度に対してどうなのか評価を行い、管理区分を求めます。

次に、ハイボリュームエアーサンプラーの変化の流れについてご説明します。

ハイボリュームエアーサンプラーの歴史

1990年代のものは、フロート(目盛り部分)を見ながら手でつまみを回し、吸引流量を調整していて、タイマーが付いていないアナログ形式が主流でした。

ハイボリ1

2000年代に入ると、アナログ形式のものから電圧の微小な変化に対応するため、、流量の自動制御機能やタイマー機能をもった機器に代わっていきました。

ハイボリ2

近年では、タッチパネルの操作画面があるものもあり、操作性も向上しています。

ハイボリ

当社では、最新のものであるオートスタート、オートストップ機能や上記の機能が搭載されたハイボリュームエアーサンプラーを所持しているため、確実で正確な測定を提供することができます。

最後に

今回のブログでは、ハイボリュームエアーサンプラーについてご紹介しました。

作業環境測定の粉じん測定についてご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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