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2021.03.03(水)

【分析項目解説!】六価クロムについて

六価クロム

水質や土壌の環境基準や排水基準あるいは飲料水の水質基準にクロム含有量、六価クロム化合物があります。

クロムと言えばクロムメッキが家具や水栓などに使用されています。

一方、六価クロムは地下水の環境基準を超えたなどと、時々ニュースで報じられており、聞いたことがあるかと思います。

そこで今回は、水質分析の項目の一つである六価クロムの解説と規制内容についてご紹介したいと思います。

まず、クロムについてご説明します。

クロムについて

クロムとは、自然界に存在する金属の一種です。

クロムメッキやステンレス(鉄とクロムを主成分とした合金です。表面をクロムの薄膜が覆うことで、さびにくくなっています)の製造に使用されています。

クロムメッキ製品やステンレス製品は装飾、水道用品、調理用品などに使用され、有害性は全くありません。

また、クロムは人体に必須の元素でもあり、糖質や脂質の代謝を助ける働きをします。

クロムが不足すると糖尿病などの原因となります。

しかし、その一方で化合物によっては有害物質となります。

それが六価クロム化合物です。

六価クロム化合物について

六価クロム化合物は自然界にはほとんど存在しない物質で、クロムメッキや顔料の原料などのために人為的に製造されます。

六価クロム化合物は皮膚や粘膜の炎症の原因となります。

特に、長期にわたって六価クロム化合物を含んだ空気を呼吸し続けることによって鼻の粘膜が傷つき、鼻の左右を隔てる壁に穴が開く「鼻中隔穿孔」が六価クロム中毒の代表的な症状として知られています。

また、肺がんなどの発がん性があるとされています。

ちなみに、「六価」とは何かといいますと、すべての元素(物質を作っている基礎的な成分)は電子という電気のもとになる粒子を持っていて、元素ごとに持っている電子の数が決まっています。

ただし、化学反応によって電子は増えたり減ったりします。

六価クロムはクロムがもともと持っている電子の数が6個減った状態です。

六価クロムは足りない電子をもとの数に戻そうとして、出会った相手から電子を奪い取ります。

その結果、相手の物質は分解され、それが人の体で起こると有害な影響を及ぼします。

そのため、六価クロムには各項目に規制が定められています。

六価クロムの規制について

六価クロム化合物は有害物質として水質、土壌、廃棄物に関する濃度基準などが定められています。

水質汚濁防止法では生活環境項目として、すべてのクロム含有量の排水基準が定められています。

また、労働安全衛生法では、クロム酸及びその塩(六価クロム化合物)が特定化学物質に指定されています。

詳しくは環境省、厚生労働省のホームページなどをご覧ください。

※六価クロムの飲料水水質基準が変更されました。詳しくはこちらのブログを参考にしてください

最後に

今回のブログでは、六価クロムの解説と規制内容についてご紹介しました。

当社では水質、土壌、廃棄物、作業環境のクロムの測定を承っております。

ご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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