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2022.03.31(木)

【溶接ヒューム測定】分析結果(マンガン濃度)が出るまで

アーク溶接 分析結果

「溶接ヒューム」が神経障害等の健康被害を及ぼすおそれがあることが明らかになったため、特定化学物質障害予防規則の特定化学物質として規制対象となりました(2021年4月1日施行)。

規制対象となったことで、溶接ヒュームの濃度測定が必要になりました。

※実際の溶接ヒューム測定の様子についてはこちらのブログを参考にしてください

対象事業者のみなさまも、1回目の測定を終えられた方もいるかと思います。

そこで今回は、事業者の方が見る機会が少ない、採取した検体の実際の分析の様子についてご紹介したいと思います。

溶接ヒュームの採取、測定対象物質について

溶接ヒュームの採取は個人ばく露測定で行い、作業者の呼吸域の空気を採取します。

試料は吸入性の粉じんを採取します。

基準値は吸入性マンガンで定められているため、捕集した粉じん中のマンガン濃度を測定します。

基準値が吸入性マンガンで定められている理由は、呼吸器の深部である肺胞に到達するものが問題視されているためです。

分析について

マンガンの濃度は、原子吸光分析法やICP質量分析法など、金属濃度を測定することができる機器を用いて行います。

採取した試料はそのままでは分析することができないため、前処理が必要になります。

前処理で何を行うかというと、試料は粉じんの状態で採取されますが、精密な定量分析をする場合、液体にする必要があります。

単純に金属を溶かせばいいという訳ではなく、試料内に有機物などがあると分析値に影響が出てしまうため、有機物を分解して、妨害要因をなくす必要があります。

採取した試料はろ紙に捕集され、それを塩酸と硝酸の混合溶液中に入れ、加熱分解します。

十分に試料の有機物を分解、金属分の溶解ができたら、分析機による分析を行います。

実際の分析の様子

実際の分析の様子

分析結果ついて

分析機では溶液中のマンガン濃度が測定できるので、それを元に採取空気量から気中マンガン濃度を計算して求めます。

この結果から報告書を作成します。

最後に

今回のブログでは、採取した検体の実際の分析の様子についてご紹介しました。

採取後のろ紙は、茶色から黒色の粉じんが付着していますが、製品についている油分やメッキ成分、溶接材料由来のものなど、様々なものが採取されるため、見た目だけではマンガン濃度を推定することは難しいです。

マンガン濃度が0.05mg/m3以上の場合、濃度低減措置を行う必要があります。

当社では改善材料として集じん機の取り扱いもしております。

販売フォームはこちらになります

YouTubeにて効果や使い方のご紹介をしています。

よろしければご覧ください。

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溶接ヒューム測定についてご相談などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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