【作業環境測定】法的に必要な有機溶剤の対応について
毎年10月は「全国労働衛生週間」として、労働者の健康管理や職場環境の改善など、労働衛生に関する意識を高め、職場での自主的な活動を促し、労働者の健康確保などを目的に行われています。
今年はすでに終了していますが、このごろ(衛生週間のおかげでしょうか…?)環境測定を今までやっていなかったところから、何件かお問い合わせをいただきました。
お問い合わせいただいた事業所にお伺いして、状況のヒアリング等をすると、法的に必要な対応がなされていないケースもあります。
そこで今回は、様々な業種で使用されている有機溶剤に対して必要な管理についてご紹介したいと思います!
有機溶剤に対して必要な管理
有機溶剤とは、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称で有機溶剤中毒予防規則では44種類が定められています。
この44種類の有機溶剤の含有率が、重量%で5%を超えるものが対象となります。
※有機溶剤の詳細についてはこちらのブログを参考にしてください
必要となる管理は、細かいものも含めるとかなりの数があるので、代表的な4つを紹介します。
1.作業主任者の選任
屋内作業場において有機溶剤を取り扱う業務を行う際は、作業主任者の選任が必要です。
こちらは国家資格となっていて、2日間の講習を受ける必要があり、主な職務は、作業方法の決定や排気装置の点検などになります。
また、見やすい場所に作業主任者の氏名・職務の掲示、他にも有機溶剤の害や取り扱う有機溶剤の区分も掲示が必要です。
2.蒸気の発散源対策
有機溶剤を使用している作業場では発散源対策として、局所排気装置やプッシュプル型換気装置などの設備が必要になります。
設置の例外条件にあてはまる場合は、全体換気等で良い場合もあります。
局所排気装置等の設備は労働基準監督署長への届出が必要で、年に1回の定期自主検査も行わなければいけません。
3.作業環境測定
第1種及び第2種有機溶剤で有機溶剤業務を行う屋内作業場では、6ヶ月以内ごとに1回の作業環境測定と、その結果に応じた適切な改善を行うことが必要です。
作業環境測定は、作業環境測定士や作業環境測定機関が行う必要があります。
4.特殊健康診断
有機溶剤業務に常時従事する労働者は、通常の健康診断に加えて「有機溶剤の特殊健康診断」を受ける必要があります。
雇い入れ時や配置換え時、その後定期的(6ヶ月以内ごと)に特殊健康診断を受ける必要があります。
※第3種有機溶剤の場合は、タンク内部作業のみが対象です。
検査項目は使用している溶剤の種類により異なりますが、尿中代謝物や肝機能などを検査します。
上記でご紹介した4つの管理以外にも、適切な保護具の使用など必要なことはまだまだあります。
これを機にみなさま今一度必要な措置ができているか、ご確認されてみてはいかがでしょうか?
最後に
今回のブログでは、様々な業種で使用されている有機溶剤に対して必要な管理についてご紹介しました。
当社では、有機溶剤の測定から発散源対策まで対応できますので、ご相談・質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください!