【少しマニアック!?】分析方法NDIR方式について

NDIR

環境測定で使用する機器にNDIR方式と言われるものがあります。

このNDIR方式は、飲料水のTOCの分析計や大気のVOC分析計に使用されています。

※VOC分析計についてはこちらのブログを参考にしてください

そこで今回は、マニアックな内容ですが、NDIR方式についてご紹介したいと思います。

まず、NDIRについてご説明します。

NDIRについて

NDIRはNon-dispersive Infraredの略で、非分散形赤外線と言います。

赤外線は光の一部分です。

ご存知のように光はまっすぐ進むのではなく、波打ちながら空中を進みます。

波の間隔を「波長」と言い、波長によって光は分類されます。

光の波長

光が物質にあたると、吸収される光と反射される光に分かれます。

吸収されるか反射されるかは、光の波長と物質の種類によって決まっています。

特定の波長の光を吸収するかしないかで、その物質が何か知ることができます。

NDIR方式について

NDIR方式とは、サンプルに赤外線をあて、特定の波長の赤外線が吸収された量から、測定対象の物質の量を知ろうというものです。

特定の波長の赤外線を調べる方法は、回折格子(かいせつこうし)と言われる、光を波長ごとに異なる角度で反射する(分散させる)装置を使用する方法と、特定の波長の光を通過させるフィルターを使用する方法があります。

光分散

NDIR 方式は後者にあたり、光を分散させないため非分散形と言われています。

 

NDIR方式の用途について

NDIR方式は、二酸化炭素、窒素酸化物など各種のガス濃度計、水質のTOC分析計、大気のVOC分析計などに使用されています。

TOCとは

TOCとは、Total Organic Carbonの略で全有機炭素と言います。

有機汚濁の指標となるもので、飲料水の検査項目として定められています。

水に含まれる有機化合物由来の炭素の濃度を表します。

大気VOCと同じようなものです。

※大気VOCについてはこちらのブログを参考にしてください

ここで、NDIR方式の大気VOC分析計の構造を紹介したいと思います。

NDIR方式の大気VOC分析計について

まず、サンプルを燃焼管に通し、有機化合物を燃焼させます。

燃焼には加熱した触媒(しょくばい。化学反応を促進する物質です)を使用します。

有機化合物は、燃焼すると二酸化炭素(CO2)と水に分解されます。

二酸化炭素は赤外線を吸収しますので、発生した二酸化炭素をNDIR方式の検出器で検出します。

ただし、空気には二酸化炭素が含まれていて(普通400ppm程度)、その分が上乗せされますので、燃焼させないサンプルも測定し、その値を差し引き、補正します。

NDIR 分析方法

NDIR方式の大気VOC分析計は、有機化合物の種類の違いによる感度の変化が少ないことが特徴です。

大気汚染防止法では、法定の測定に使用するNDIR方式の分析計は

  • トルエン
  • 酢酸エチル
  • メチルエチルケトン
  • 2-プロパノール
  • ジクロロメタン
  • クロロベンゼン

に対して感度が90%以上であることと定められています。

ただし、VOCを燃焼処理した後のガスなど、燃焼行程を経たガスの測定には燃焼によって多量の二酸化炭素が発生し、測定誤差が大きくなるため、使用することができません。

最後に

今回のブログでは、NDIR方式についてご紹介しました。

大気分析、水質分析についてご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。